ブログを書く社長は得手不得手に恐れる必要はない

オウンドメディア 企業ブログ
最近はオウンドメディアの時代だとようやく企業が自己発信することの重要性が当たり前になってきました。

オウンドメディアというものに限らず、SNSやブログなど企業側が自己発信することの重要性は以前から随分と語られてきました。

そもそも何を発信するために始めたか

そもそもこのブログを始めた理由のひとつが、そんな発言に促されて実際にSNSを運用することをはじめたはいいもののやり方が分からないという方の声や、一部のSNSの講演者やコンサルの人が何とも言えない発言をされているのを見ていてもたってもいられない気持ちが積もり積もったというもの。

人には得手不得手があるもの

今日たまたまとあるブログで「小さい会社の社長自身が自己発信できないなんてあり得ない」というような発言を見たので、その方のブログを元に自分なりの見解を書きたいと思います。

まず、一つ目に社員にPRの一貫でブログをさせているのに、社長自身がつまらないブログを展開しているのは駄目だというもの。

これに関しては個人的には少し見解が違います。
人間には得手不得手というものがあり、例え小規模な会社であったとしても社長自身が発信することが絶対とは言い切れないと思うから。
社長自身が上手くなければ会社のPRなんて上手くいかないということは絶対に言い切れないと考えています。
もちろん社長自身が上手く活用出来れば、社員に対してよき模範となるでしょうし、そもそも自身の会社の広告塔に社長自らがなることは、その後の経営においても安全率が高まるでしょう。
例えば1社員に凄腕のPRマンがいて、彼が会社のPRの一貫で始めたブログがきっかけで会社への顧客のアプローチが増えた場合、彼が独立をしてしまった後は非常に苦戦を強いられるでしょう。
さらに言えば、その手法なりを社長自らが体得出来ていない場合、恐らく後進が育つ可能性も確率論的に非常に低くなる。
これは自らが自身の会社の首を締めることになりかねないので、早々に彼の技術を自分なり他の社員なりに覚えさせることが大事になってくる。

しかし、その前にやはり自身が発信力があった方がいいのは間違いない。小さな会社であったとしても、会社は公共物であると思いますが、とはいえ大きな会社と比較して小さい会社は社長の手腕が大きく経営を左右しやすいため、PRの一貫で始めた自己発信は社長が成功するほうがよいのは事実です。

もうひとつは、扱っているテーマが駄目だというもの。
そのブログには、書評や過去の偉人の話などを取り上げることは大きく間違っているというようなことが書かれていました。
これは正しいようで間違っていると思います。
確かに最終的にはこういったコンテンツは、自己発信をしていく上でどうでもいいコンテンツになる可能性はあります。
しかし、例えば書評であれば、単に「読んで楽しかったです」ではなく、その本に書かれていることを自社ブランドなどにどう転嫁するのかというのが実は大事であり、恐らくトレンディドラマを見て話題についていこう程度で本を読んでる経営者なんていないと勝手に信じていますので、経営者である方が本を読んだなら、そこに何かしらの気付きがあるはず。それをブログに落とし込めばよいのです。
そこに共感なりを感じてその社長を好きになり、そしてその会社を好きになることはきっかけとして十分でしょう。

会社と会社が取引をするBtoBや、会社と顧客が直接取引するBtoC、そして間に小売店が入るBtoBtoCなど、どれにおいても基本的には「ちょっと試してみようかな」という垣根は意外に高いものです。
その上で企業が自己発信をしてファンを獲得するというのは非常に効果が高いわけで、ファンを生み出すひとつの手段が、何かしらの共感を得るというものです。
本はお互いにとってメリットになることが多く、その会社が売っているものではないものを参考に自身の考えを展開することは、受け取る側からするとアクションとして垣根を超えるきっかけとして非常に有効です。
また、偉人の言葉などもそうでしょう。同じ松下幸之助のことが好きな人が、彼の言葉をどのように感じているのかというのを展開した場合、そこに同じ気付きや共感があればファンになりやすいのです。

これは、女性を口説くときなどにもよく使われる手段で、そう考えると簡単でしょうか?

実際問題、社長自身が展開しているブログが全く面白くないものは世の中に溢れかえっています。SNSも然り。
しかし、そのどれもがこういった「こうしては駄目」という発言に多少なりとも影響され、分からない分野に足を入れることに躊躇を招き、悩み、結果外れていってしまうのです。

得手不得手は誰にでもあるものです。文章も同じです。
僕はこうした社長ブログなりSNSを展開している人に言いたいのは、「恐れるな」です。

会社社長という立場の方にはそれなりにSNSなりブログなりで、運用ルールみたいなのが必要なのは当然ではありますが、そういったものは会社社長をやっているものとして当然として身につけるべきもので、それはSNSでもブログでも同じです。
公序良俗なんて基本中の基本でしょうし、いわゆる炎上になりそうなものも含めてそれなりに運用ルールは持っていないと駄目でしょう。
しかし、書くことが見つからないと嘆く必要は恐らくないはずです。

この本が面白かった、今日の天気が良かった、飯が美味かった、何がいけないでしょうか?いいんです。

ただ、

伝え方が下手なんです。

トップにいると自分が伝えベタなことに気づけ無いことが大いにあります。部下や周りの人はあなたの立場があるから、自分がうまく理解しないといけないと考えます。
ところが、ブログやSNSはそうもいきません。分からなければそこで終了です。
なので、伝える努力をしていかないといけないのです。
それはやがて、社員に自分の思いや気持ちを伝えるのに大きく貢献する能力となるはずです。

得手不得手はあります。構いません。続けていきましょう。
自分がいいと思ったこと、自分が伝えたいと思ったこと、何度でもいいです。伝えていきましょう。
そして、その反応を真摯に汲みとって次に活かしましょう。

あなたの言葉を待っている人がたくさんいます。
あなたの言葉は今そこにありますか?
自己発信とは誰かの言葉を借りてくることではありません。あなたの内にある言葉を発信することです。

しかし、あなたが会社経営を志した時がそうであるように、世の中のほとんどは何かのトレースやオマージュです。
なので最初は模倣でも駄作でもなんでもいいです。日々繰り返し発信して、やがてあなたの言葉を1%多く自分が思ったとおりに伝えていけるようになっていってください。

これはだめ、あれはだめに影響されることなかれ。
会社経営者になったあなたであれば、きっと自身の革命は起こせるはずです。