拡散を乞うことがバズを生むのではない

SNS 拡散
先日このようなブログを知人の方が書いていました。

そのブログを「 誰が紹介するか?」によっても、その人の読む意識が全く変わる。|アパレルメーカー 短パン社長奥ノ谷圭祐のブログ

この方は通称『短パン社長』という名前で知られている方で、鮮烈的なビジュアルのみならず、検索で短パンと検索すると、Wikipediaよりも前に検索結果が表示されるなど、様々な意味でセンセーショナルな方。

氏の紹介はこれくらいにしておくとして、今回この投稿を読んだ時に共感出来る部分がいくつかあったので、触発されて書きたいと思います。

拡散を乞うという行為が拡めるのではないということ

これは実質直接アドバイスをさせていただく時などによくお話することではあるのですが、多くの人がSNSを活用して告知などをしようとするときに1つ大きな間違いをしているのをよく見受けます。

それが『拡散を乞うことで拡めよう』とかんがえること。

よくみかけるのが『拡散希望』などのコメントが付いた文章などでしょうか?
これは筆者も時折使うので、もちろんこの言葉を使うことが間違っているという話では今回ありません。
拡散をして欲しいと願うことはもちろん問題はなく、その必至さに共感して拡めてくれることも当然ありますので、詳細な方法論などは置いておくとして、有効な手段のひとつであることは周知の事実でしょう。

ただし多くの人が間違っているのは『拡散』をしてくれるのは、当然あなたのツイートなりを見た『受け手』であるということ。

そんなの分かってるよという人もいらっしゃるかとは思いますが、実はそんなこともなく、分かっていない人が多いということです。

例えば売り出し中の芸能の方や、企業をされている経営者の方などは、友人やフォロワーが世間の人に比べると多少多いのですが、その方々が特に間違っているのは、『フォロワーに受ける』ということしか意識していないということ。

RTなりシェアをするということは、あなたから受け取った告知文を自分の文として更に拡げるという行為です。ここまでは友人たちも協力してくれるかもしれません。
ただし、大きなバズを生むためには、さらなる拡散が伴わないと効果を発揮しません。
アナタ→フォロワー→フォロワーのフォロワーというつまり、あなたにとっては全く関係のない人といってもいい人に届くわけです。

ここで気づいた人は、恐らくこの文章を読む必要がないでしょう。

告知文というのは、本来不特定多数の人に向けて書くものであって、また告知文でないにしても多くの人に届けたいと思うものはそうであるものです。
しかし、例えばこんな文章だとどうでしょう?

「◯◯を知ってる人なら協力お願いします!ぜひこの告知ページを拡めてください!よろしくお願いします!」

これは芸能の方などに多いパターンの告知文ですが、その方がテレビに多く出ているような本当の意味で有名人であれば、この文章も多少効果がありますが、知らない人からしたら全く関係無い文章なのです。
この告知文を拡めて効果があるとすれば、「よく頑張って拡散しているからとりあえず見てやるか」と思ってくれる優しい人でしょう。
もちろん、それも効果としては非常に大事ではありますが、大きなバズを生むには少々苦労しすぎです。
では、一体どうしたらいいのでしょうか?

誰でも彼でも刺さる文章というのは確かに難しいです。基本的には特定の層を狙って刺す文章の方が、鋭利で非常にぐさっとくるものです。
ですが、その特定の層を単にあなたのフォロワーに向けてという風に考えるのが大きく間違っているのです。

誰かに届けたいと思うものというのは、それなりに想定のターゲットというものがあるはずです。
あなたのファンクラブの会員に向けた告知で無い限り、こんな人に読んで欲しいというものが本来あるはずで、それをしっかりと盛り込むことが大事だということです。

そしてここからが冒頭で紹介した、誰が紹介するのかが大事という話につながるのですが、自分自身にフォロワーが少ないという方や拡散力が無いという方でも、まだ会ったことのない想定のターゲットに向けて全力で書いている文章は、影響力のある人に見つけてもらった時に拡散してもらえる可能性が上がるということです。

あなたが紹介するあなたの文章ではなく、あなたでは無い方が紹介するあなたの文章というのはとても効果が高いのです。

それはあなた自身が実際にタイムラインなどに流れてくる共有記事を見てもそのとおりだと思います。
この人が紹介するなら見てみようという気持ちに駆られることは1度や2度ではないはずです。

しかし、そのあなたにとって「この人なら」と思わせる人に共有してもらうためには、その文章がその人にとって自分の投稿としてもよいと思えるものであることがかなり重要なファクターになるのです。

「拡散してください!」と乞うことでバズるものもあります。人探しや政治系のニュースなど、拡散してください!と書いていなくてもそもそも拡散をしたくなるものは、書くことで目につきやすくなります。
しかし、そうでないものは、拡散して欲しいという気持ちをグッと文章に込めることが大事だということです。

人は良いと思ったものに関しては饒舌になります。つまり、饒舌でない文章はきっと良いものではないと感じてしまう可能性があるということ。

そして、もうひとつ気をつけて欲しいのは、饒舌になりすぎると伝わらないということ。

この辺を意識して、届けたいと思う気持ちを文章に込めることが大事です。

当たり前なことを書き連ねていると揶揄する方もいらっしゃるかもしれませんが、私自身がそうであるように、自身に絶対的な影響力や拡散力が無いとしても、あなたの周りにいる影響力がある人があなたの努力の文章を汲み取って拡げてくれることはあるということです。
もし、あなたの直接の周りにいなければ、あなたの知人の知人には必ずいます。それこそSNSの拡散力の威力が発揮される瞬間です。

「あの人、この投稿好きそうだな」「あ、これは人に伝えたいな」と思わせる内容は、拡散を乞うことが大事なのではなく、伝えたい人に伝わるように書くことが大事だということです。

これはまた自分へのブーメラン文章と言ってもいいでしょうか。